お題「ふとん」

 ふとんというと真っ先に思い出すのは、なぜか布団袋だ。

あの茶色っぽい布団袋に布団や少しの荷をいれて、チッキで、タクシーで、リヤカーで運んで、引っ越したことが何回あっただろうか。

 東京の夏の暑い日に間借りをしていた離れの2階の部屋から、母屋の屋根に布団を運び出して、布団が風で飛ばされないよう、その上で見張りがてら、昼寝をしていて、ついうたた寝をしている間に掛け布団が飛ばされて庭に落ちてしまたこともあった。

 韓国の布団は部屋がオンドルなので薄くて軽くてきれいだった。折って畳んで部屋の隅に積み重ねると、まるで装飾品だった。