今週のお題「私のおじいちゃん、おばあちゃん」

 本当のお爺さんの記憶はない。 

斜面に集落があったので隣家(上の家)のお爺さんから、まだ十分熟していないビワの木に登って実をとっていて、怒鳴り声を浴びせられたものだった。その家の息子兄弟には可愛がられて、よく膝に座って『岩見重太郎』や『もも太郎』などの絵本を読んでもらったものだ。

 お婆さんは、杏の実をよくくれた記憶がある。

また、釜山で父の姉(つまり姑母)に初めて会った時、なぜかお婆さんという気がしていた。

 この父そっくりなコモは、チュモニ(身につけている財布代わりの袋)からお金を取り出しては、私の手に握らせてくれたりしたものだった。