お題「我が家のペット」

 ポポという名の手乗り文鳥がいた。しばしば私の左手の人差し指から右手の人差指に軽やかな鳴き声を上げながら飛び移っていたものだった。時にはその指の上でリラックスして寛いでいたものだったが、体が熱くなると指にウンチをしたものだった。

 ビリーという名のポメラニアンもいた。

家人が鳥かごを掃除すると、ビリーがやきもちを焼いて、よく邪魔をしていた。

動物を飼うなど考えられなかった我が家にビリーが来たのには、それなりの訳があった。何年か前の今頃、つまり初夏に当時中学生だった我が家の娘が、家人に「友達と

花火見物に行って良い?」と尋ねたところ、家人は中学生が夜中に外出するなどとんでもないと言って、許可しなかった。娘は「友達の親は良いと言ってるのにうちはなぜだめなの?」と言って納得しなかった。

 結局、その日娘は泣き寝入りし、翌日娘の泣きはらした目を見た家人は、さすがに可哀そうになって、前からの娘の願いであった「犬を飼う」ことを許可したのである。

 学校から帰って来た娘は家人と大喜びで近くのスーパーのペット売り場へ急ぎ、前から見に来て気に入っていたという、奥の方でおとなしくしている、子犬を飼ってもらったのだった。