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むかし我が家にもペットがいた。オスのポメラニアンだった。
家族みんなから可愛がられ、追いかけっこやかくれんぼをしてよく遊んだものだ。
かくれんぼをしている時、そっと観察していると、ぬき足差し足で隠れていたものだった。また、飼い主が隠れていた場所に隠れるので、すぐ見つかってしまったものだ。
一度こんなことがあった。主人が比較的永い出張に行っていた時、テレビで「パパ」という声がすると、そのペットが玄関に走って行って「ワンワン」と、まるで「おかえりなさい」とでも言うように吠えたそうだ。
また、トイレで用を足すとおやつを与えていたのだが、目を凝らしてみないと、分からないほどのわずかな量の時、気付かないふりをして飼い主が通り過ぎると、吠えて飼い主の注意を喚起しておやつをせしめていたりしたものだった。